小学一年生になっても三角形を書けない子は発達障害!?
我が子が小学一年生になっても、三角形を書けないと知った時、
- 「この子、病気なのかしら・・・」
- 「大丈夫かしら・・・し、心配だわ・・・」
- 「発達障害かしら・・・」
なんて思ってしまいますよね。
安心してください。必ずしも生まれ持った発達障害とは限らないのです。
実は、生活環境によって、そのような症状があらわれることがわかっています。
今回は、そのことについてお話していきます。
一年生になる前に行う就学児検診
小学一年生にあがる前に行われる就学児検診というもので、三角形ほかけるかかけないかを調べられます。
就学時検診とは、簡単に言うと1年生になる前に健康診断や知能検査、面談などをして、小学校側がどんなの子が入学してくるのかを確認するために行うものです。
学校保健安全法の第11条に定められているものであり、必ず実施しなければならない検診です。
健康診断の検査項目は学校保健安全法施行規則の第3条に定められており、以下のとおりです。
・栄養状態は、皮膚の色沢、皮下脂肪の充実、筋骨の発達、貧血の有無等について検査し、栄養不良又は肥満傾向で特に注意を要する者の発見につとめる。
・脊柱の疾病及び異常の有無は、形態等について検査し、側わん症等に注意する。胸郭の異常の有無は、形態及び発育について検査する。
・視力は、国際標準に準拠した視力表を用いて左右各別に裸眼視力を検査し、眼鏡を使用している者については、当該眼鏡を使用している場合の矯正視力についても検査する。
・聴力は、オージオメータを用いて検査し、左右各別に聴力障害の有無を明らかにする。眼の疾病及び異常の有無は、伝染性眼疾患その他の外眼部疾患及び眼位の異常等に注意する。
・耳鼻咽頭疾患の有無は、耳疾患、鼻・副鼻腔疾患、口腔咽喉頭疾患及び音声言語異常等に注意する。
・皮膚疾患の有無は、伝染性皮膚疾患、アレルギー疾患等による皮膚の状態に注意する。
・歯及び口腔の疾病及び異常の有無は、齲歯、歯周疾患、不正咬合その他の疾病及び異常について検査する。
・その他の疾病及び異常の有無は、知能及び呼吸器、循環器、消化器、神経系等について検査するものとし、知能については適切な検査によつて知的障害の発見につとめ、呼吸器、循環器、消化器、神経系等については臨床医学的検査その他の検査によつて結核疾患、心臓疾患、腎臓疾患、ヘルニア、言語障害、精神神経症その他の精神障害、骨、関節の異常及び四肢運動障害等の発見につとめる。
学校保健安全法施行規則 第3条
健康診断だけでなくこの検診では、知能検査も行われます。
この知能検査をすることで発達に遅れがないかをチェックしているのです。
この知能検査でよく使われるのが、田中ビネー式知能検査(たなかビネーしきちのうけんさ)です。
田中ビネー式知能検査とは、心理学者の田中寛一によって、1947年に出版された日本のビネー式知能検査の一種です。
その課題の中に三角形を書かせる課題があります。
そこで、三角形を模写し書けるか書けないかをチェックされます。
正しくかける子はこのように三角形をしっかり書くことができます。
しかし、中には三角形をまねして書いてと言われ、
という感じに書いてしまう子もいます。
少々問題ありなように思えますよね。
実際にこの検査で我が子が三角形を書くことができないことを知らされることはほぼないです。
三角形を模写してと指示されて正しく書けないのは、これから小学校1年生で習うひらがなをまねして覚えられないことにも繋がります。
では、どうして三角形を書けなくなってしまうのでしょうか。
三角形を書けなくなる原因
「早起き 早寝 朝ごはん」という本に、興味深いデータがあります。
61~72ヵ月の男児107名、女児118名の計226名にデータをとったところ、三角形を模写することができた子は184名、できなかった子は38名いることがわかりました。
226名中、38名が正しく模写することができないのは、5人か6人に1人の割合で書けないということです。非常に多いですよね。
では、どうしてこのような結果になったのか、もう少し調べてみるとその原因がわかってきました。
それは、規則正しい生活をしていないからです。
睡眠時刻、時間が不規則
先ほどの子たちの起床時刻、寝た時間を調べたところ、平均で起床時刻が6時48分、寝た時間が9時34分であることがわかりました。
また、ばらつきが大きいことも判明されました。幼稚園のバスの時刻に合わせて起きる子が多く、バスが遅くつく日は、いつもより遅くまで寝ていることがわかったのです。
中には起きる時刻、寝る時刻が1時間半以上ずれる子もいることがわかり、毎日規則正しく睡眠をとっていないことがわかりました。
夜、パパ、ママと一緒にテレビを見たり、テレビゲームをしたりして寝る時間が不規則になることが生活リズムを乱す原因です。
9時以降に子どもをつれて外に出歩くなんてもっての他です。
生活リズムが乱れると朝起きることがつらくなるだけでなく、夜泣きがひどくなったり、登校を渋ったりするようにもなります。
日中に外で遊ばない
常に子どもの言動にいらいらしてしまっている家庭は、外で遊ぼうとはしないで、ほったらかしにしてしまう傾向があります。
赤ちゃんの頃に、一生懸命に外で遊んだ家庭は今、子どもが多少生意気なことを言ってもいらいらはしません。
そして、外で一緒になって遊んでいます。
外で遊ぶことは、大脳の機能にとても良い影響を与えることになります。
様々のことを吸収し学ぶことができるのです。
おわりに 解決策
やはり、規則正しい生活は基本になりなります。
規則正しい生活をしようとよく言われることが多いですが、子どもの脳にも大きな影響を与えることがわかったのではないかと思います。
今、夜遅くまで子どもと一緒にテレビを見ている人はテレビを見るのをやめ、寝かしつけることをしたり、一緒に外で太陽の光を浴びてあそんできたりしてはどうでしょうか。
小学生に上がる前までに、規則正しい生活を身に付け、小学校にあがると同時にいいスタートを切れるといいですね。