けいてぃの教育ブログ

「重度障害理由に地元小学校へ通えず、親子が提訴」というニュースについて思うこと

「重度障害理由に地元小学校へ通えず、親子が提訴」というニュースについて思うこと

 

最初にこの7月12日の記事をご覧ください。

重度の障害を理由に地域の小学校に通えないのは違法だとして、川崎市に住む親子が通学を認めるよう裁判を起こしました。
訴えを起こしたのは、川崎市に住む光菅和希くん(6)と両親です。和希くんは先天性ミオパチーという難病で人工呼吸器を装着しているため、たんの吸引などの医療的ケアが必要ですが、母親が付き添うことで地域の幼稚園に通い、今年4月からも母親か父親が付き添って地域の小学校に通いたいと希望しました。

ところが、県と市の教育委員会は「専門的な教育が適切」として就学先を特別支援学校に決めたため、地域の小学校に通えないのは障害者差別解消法などに違反しているとして、県と市の教育委員会を相手取り、横浜地裁に提訴しました。

「障害があるから特別ではなく、障害があっても同じクラスにいたから友達だっていう、そういう普通の今まで自分たちが成長してきたものと同じものを与えてあげたいな」(光菅和希くんの父親)

両親は「幼稚園では同年代の友達と接することで笑顔も増えた。大人の指導が中心の特別支援学校では地元の学校のような成長は望めない」と話しています。

引用元 TBSニュース

URL http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3419234.html

あなたは、これを見てどう思うでしょうか。

やっぱり障害を持っていても教育は平等に受けさせるべきものだから、普通学校に通わせるべきだ。学校はこのような障害をもっている子でも教育が受けられるように整備するべきだ!

と思うでしょうか。

もしくは、これ親のエゴだ。このような障害をもった子が学校に来ても周りが迷惑する。普通学校なんてとんでもない。特別支援学校に入れさせるべきだ。

と思う方もいるでしょう。

様々な考えがあるのは理解できます。

 

では、国は障がい者の教育についてどのように言っているのでしょうか。

国では、中央教育審議会といって今日の教育ついて審議する会を行っています。

その場で、このようなことを言っております。

1 障害のある子どもが、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参加することができるよう、医療、保健、福祉、労働等との連携を強化し、社会全体の様々な機能を活用して、十分な教育が受けられるよう、障害のある子どもの教育の充実を図ることが重要である。

2 障害のある子どもが、地域社会の中で積極的に活動し、その一員として豊かに生きることができるよう、地域の同世代の子どもや人々の交流等を通して、地域での生活基盤を形成することが求められている。このため、可能な限り共に学ぶことができるよう配慮することが重要である。

3 特別支援教育に関連して、障害者理解を推進することにより、周囲の人々が、障害のある人や子どもと共に学び合い生きる中で、公平性を確保しつつ社会の構成員としての基礎を作っていくことが重要である。次代を担う子どもに対し、学校において、これを率先して進めていくことは、インクルーシブな社会の構築につながる。

引用元

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告) 概要

可能な限り共に学ぶことができるように配慮が必要?

学校が率先して行っていく???

この言葉だけとってみると、障がいのある子でも健常者と共に教育を受けさせることを学校側が努力しなければならないと受け止めることができますよね。

じゃあ、今回のニュースも、障がい者の親の訴えを取り入れ、学校側が受け入れ態勢をとらなければならないのでしょうか。

私は、受け入れることは学校にとっても難しく、親にとってもメリットはないと考えます。

私の考え

まずもってハード面から不可能です。

このような障がいをもった子を受け入れるのに、学校側がどのくらいの予算を投じて設備を整えなければならないかと思うとぞっとします。

たとえ、母親か父親が毎日学校について来るにしても、学校で何か事故があった時に責任をとらなければならないのは学校側です。

万全な体制で受け入れるためには、少なくともこの子が行動する範囲は全てバリアフリー化しなければならないでしょうし、この子のために支援員をつけなければならなくなります。

また、授業も共に受けるということなので、先生の話が聞けることができるような教室、用具も整えなければならなくなってくるでしょう。

さらに、クラスの中には、健常者もいます。そうなると、健常者にも協力をしてもらわなければならなくなってきます。

もし、軽度の障がいをもった子がクラスにいたのならば、保護者から理解も得られ、協力的にサポートしてくれるでしょう。しかし、このように重度の障がいを抱えている子は周りの保護者の理解を得ることも難しいです。

健常者の子にだって人生があります。自分の子を守るためにママさんたちは必至です。理解を得られるのは不可能に近いでしょう。

もし、受け入れが決まれば、学校は大変苦労すると思います。

 

 

さらに、私はもっと懸念していることがあります。

それは、この障がいをもった子の将来です。特別支援学校などにいけば、将来の就職や生活を面倒みてくれます。その道の専門の学校なので、適切なアドバイスもくれるでしょう。

しかし、普通学校の小学校、中学校と卒業して、さあ、次にどうするかと思っても学校側は何も手を貸してくれません。

中学校は、普通高校、健常者の就職先の情報やルートをもっていますが、特別支援を抱えた子の今後の道の情報十分にもっていません。

いくら、卒業したあとの施設をあっせんしてください。といわれても難しいです。

無理ではないかと思いますが、

普通学校に行って、出口で困るよりも、特別支援学校に行き、その道のプロから適切な将来の選択を相談しながら共に決めていったほうがよっぽどその子のためになるのではないでしょうか。

特別支援学校に行った方が将来安心で、普通学校に残れば将来のことは知りませんよなんて学校の先生は一切言いません。てか、言えないです。

親御さんたちがどんなことを言ってくるか学校の先生はびくびくしていますからね。

でも、

自分の子を思うのならば、その子に本当にふさわしい教育場所を親が選んであげるべきだと私は思います。

それが本当にその子のためになるからです。

どの選択を選ぶかによって人生が大きく変わってきます。それは健常者の子も同じかもしれませんが、障がいをもった子はもっと大きく変わってきます。

その選択を誤らないでほしいですね。