家庭環境・食育

小児肥満の食事療法を詳しく教えます

小児肥満の食事療法を詳しく教えます

 

小児過体重や肥満を注意を受けてしまったお子さんのために、運動をしましょう、食事に気を付けましょうと言われても具体的に何をしなければならないか分からないことはありませんか。

どのくらいカロリーを抑えなければならないのか、どのくらい痩せなければならないのか具体的な数値がないために、困惑しているのではないでしょうか。

できることなら、我が子の適正を把握し、その適正体重に合った食事の計算して提供していきたいですよね。

今回は肥満度の数値とその計算方法をお教えしたいと思います。

ご自身のお子さんが現在どの程度肥満なのかご存知でない方は

一度電卓と紙を準備し、計算をして確認してみましょう。

発育状態の程度を調べる計算式

乳幼児(3か月~5歳)

まず我が子の発育状態を調べてみましょう。カウプ指数を計算してください。

カウプ指数計算式

カウプ指数=体重(㎏)÷身長(㎝)²×10⁴

〈例〉

身長103㎝、体重16㎏とすると

16÷10609×10000=15.08

カウプ指数 15 となります。

判断基準

13未満    やせ

13~15   やせぎみ

15~18未満 正常

18~20未満 肥満気味

20以上    肥満

 

学童期(6歳~11歳)

ローレル指数計算式

ローレル指数=体重(㎏)÷身長(㎝)³×10⁷

〈例〉 

身長141㎝ 体重36㎏とすると

36÷2803221×10000000=128.4…

ローレル指数 128

判断基準

100未満  やせ

100~115未満 やせぎみ

115~145未満 正常

145~160未満 肥満気味

160以上    肥満

 

皆さんのお子さんの体型はどうだったでしょうか。

ここで肥満気味以上となってしまったお子様は必要エネルギー以上にエネルギーを摂りすぎているのかもしれません。

大人に限らず、子どもにも1日これくらい食べましょうという必要エネルギー量があります。

この値を確認してみます。

男の子 女の子
3~5歳 1,400 1,250
6~7歳 1,650 1,450
8~9歳 1,950 1,800
10~11歳 2,300 2,150

 

ママ
ママ
これって肥満じゃない子が参考にする表じゃないの?

このように疑問に思ったかたもいるのではないでしょうか?

うちのこは肥満だけどこの表と同じ量のエネルギー量でいいのかと。

肥満でない子もこの表を参考にしてください。

なぜなら、大人とは異なり、幼児期・学童期は大切な成長期でもあります。

この時期に無理にエネルギーの制限をしてしまうことで、成長に必要なたんぱく質やビタミン・ミネラルが不足し、身体をつくる成長を妨げることになってしまいます。

そのため、肥満気味程度のお子さんなら、上記のエネルギー量を参考に食事をしていただいて構いません。

ただし、中等度~高度の肥満児(20%程度オーバー)に対しては少し制限だけ制限が必要をされています。その程度は上記のエネルギー量に対して、5~10%減したエネルギー量です。

我が子は肥満すぎると思っている方は、上記の表に対して約10%減らして摂取してください。

 

我が子は肥満すぎると感じている方の食事のとり方

〈10歳男子の場合〉

10歳男子 普通の活動量の子 こちらの子は2300kcalが必要エネルギー量です。

この同じ条件で重度の肥満の場合は2185kcal程度でよいということになります。

ざっくりカロリーを述べられても、食事にするとどの程度か分からないと思います。

ざっくりではありますが、

〇炭水化物

ご飯200g×3回 168kcal×3食=1008kcal

 

〇メインのたんぱく質100g程度

例)大きなの魚1切~1.5切、肉だと鶏肉もも肉の半分~半分弱 豆腐半分

鮭1枚 大体200kcal

鶏もも半分弱 250kcal

卵Lサイズ 2個 170kcal

 

〇副食のたんぱく質

ハム・ウインナー2本程度 100kcal

豆腐半分 70kcal

シーチキン 20g 53kcal

 

〇カルシウム摂取に重要な乳製品

牛乳コップ1杯 134kcal

ヨーグルト1個 80kcal

ベビーチーズ1個 50kcal

いずれか1~2個

これに加えて、緑黄色野菜と淡色野菜を360g

ざっとザル3杯分。

 

さらに、おやつからもエネルギー量を確保することも可能ではあるが、

カロリーや脂質や塩分も気にする必要があります。

ケーキやスナック菓子をまるまる食べてしまうのではなく、できるだけ子袋になったおやつを出してあげる。などの工夫が必要です。

おわりに

バランスのよい食事とは

全体のエネルギー量に対して

炭水化物が50~65%

たんぱく質が13~20%

脂質が20~30%

となってします。

炭水化物の中には海藻・きのこ・雑穀類に多い食物繊維も含まれています。

そのため、ごはん・パン・麺類などの糖質を多く含む炭水化物を多くとることは控えましょう。

ちなみに炭水化物とたんぱく質は1gあたり4kcalとされています。

これに比べ、脂質は1gあたり9kcalです。

ここからも脂質のバランスが多いことで、エネルギーが過剰になりやすいことを感じてください。

適度なごはんものと、良質なたんぱく質、これに加えてカルシウムも一緒にとれる牛乳や青魚からの脂質の摂取、たくさんの野菜と食物繊維が含まれた海藻やキノコも存分に食べることで、適度なエネルギーが確保されます。

皆さんも上記のことを心がけて、食事の準備をするように心がけてください。

 

幼児、学童期、思春期の肥満大部分が消費エネルギーに対して、とっているエネルギー量が多いことが原因とされています。

学童期に関しては小学校高学年になるほど、肥満児が増加しているデーターがあります。

近年は小児の過体重や肥満が増加しています。

それに比例に小児の心疾患や脳血管疾患も増加しています。

公衆衛生が整った現代、感染症などの病気が減少したことは嬉しいことではありますが、生活習慣が発端となる生活習慣病が増加していることは残念なことですね。

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