叱ることが多い子こそ、褒めれば言うことをきく。教員の実践を元に解説
我が子がやんちゃだったり、言うことを聞かなかったりでストレスが溜まり、毎日のように叱ってしまう。なんてお母さんたちが多いのではないでしょうか。
叱りたくなる気持ちは多いにわかります。毎日の育児って本当に疲れますよね。自分の思い通りなんかいってくれないし、もしかしたら自分が理想としていることの逆になってしまっているなんて方もいられるのではないでしょうか。
でも、これ。自分の理想に必ずしも行くとは限らないし、いかないケースの方が多いのです。
子どもだって人間ですもんね。自我が芽生えてきたら、どうころぶかわからないのが現実です。
だからこそ、少し発想を変えるだけで、自分自身もすごく楽になって育児をすることができるようになるのです。
今回は、
- 最近叱ってばっかりいるなぁ、と思っているママさん。
- いくら叱っても言うことを聞かないなと思っているママさん。
- もう子どもが言うことを聞かなかったり、悪さばっかりしたりすることが当たり前になってあきらめているママさん
などが、楽に子育てできるように、子どもが言うことをきくようになる方法を、教員の実践を元に説明していきます。
お楽しみに。
叱るから言うことを聞かなくなる
実は、叱れば叱るほど子どもは反発しいきます。
なぜなら、子ども(人)というものは、とにかく認めてもらいたい願望の塊だからです。
どういうこと?
と思われる方が多いでしょう。
小さい子どもは、よくお母さんに
「見てみて!!自分でやったの、つくったの!」
「○○ができるようになったよ」
「○○に褒められたよ」
など、うれしいことをたくさん報告してくれますよね。
これって、小さい子だけに表れる特徴ではありませんよね。
言い方が変わるにせよ、幼稚園児、保育園児、小学校低学年、中学年、高学年、中学生、高校生、誰しも共通して言えることであります。
大人だって、自分がうれしいことがあったら誰かに認めてもらいたいですよね。
このように、子ども(人)は、誰もが自分のことを見てほしい、認められたいと思っているのです。
そして、たくさん褒めてほしい。自分の良いところをたくさん見つけてほしいと思っています。
実は、子どもの良い部分を認め、褒めることをことを続けている方は“叱ることが多くなってしまう”ということで悩んでいないではないはずです。
いやいや、私はたくさん褒めているし。
なんて思っているママさんもいるかもしれないので、さらにお話を続けさせてもらいます。
質問です。
あなたは、叱る割合と、褒める割合、どちらが多いですか。
きっと、叱る割合が多い。と答えるはずです。
どちらか迷っている方も、叱る方が多いはずです。
なぜそう断言できるかというと、叱る方が多いと、叱られた方がママに構ってもらえる、相手にしてもらえると子どもは勘違いをするからです。
このような事例をよく聞きます。
- 褒めることが大切ということはわかっているけど、実際のところ、褒めることが見つからない。ついつい、悪い部分に目が行ってしまい、口を出してしまう。
- 忙しくて、子どもの言葉に全て耳を傾けることができない。「見てみて!」って言ってくるんだけど、それよりも家のこと、仕事のことで忙しくて相手できない。けど、子どもにはついつい「○○しなさい!」と言ってしまうんだよね。
- 子育てのストレスで相手にできない。自分のせいだけど、イライラしていることで子どもにガミガミいってしまう自分がいる。
このような声を聞くと、子育ては大変だし、心に余裕がないと子どもの良いところも見つけることもできないことがわかりますよね。
怒る、叱るはずがなかったことでも、ストレスがたまっていることで、エスカレートしていき、褒めることよりも注意する、叱る方が多くなってしまいますよね。
でも、そんな親の事情は子どもは知りません。親の事情を分かってもらおうとすることも無駄です。
とにかく叱ることが多いと、子どもは、
悪いことをしたほうがママに自分のことを見てもらえると。
と思うようになることが分かっていただけたと思います。
では、具体的にどうすればよいのでしょう。
子育てのポイント
上記にもありますが、悪いことをした方がママに見てもらえるので、悪いことをしようとします。
そして、それが続いていくと、負のスパイラルになってしまいます。
ママが子どもを叱る→子どもは認めてもらいたく、悪さをする→親は悪さをすることが多くなったことを叱る→もっと悪いことをしようとし始める。
こうなっていくと、とても大変なことになり、家庭だけでは手に負えない状況になりえます。
中学生い、高校生になって、いわゆる非行という類のものにはしる可能性もあります。
ちなみに、このような非行にはしってしまう子は、多くが家庭に問題があり、親に十分に認められてこなかったケースが多いです。
そうなってしまわないように、対策をうって楽な子育てができるように、子育てのポイントを紹介します。
①基本的には悪い部分には目をつぶり、子どもの良い表れを多く見つけよう。
注意したい、叱りたいという気持ちをグッとこらえて、5秒我慢しましょう。深呼吸をしましょう。そうすると、叱りたい気持ちも落ち着きます。
そして、とにかく褒める回数を増やしましょう。
些細なこと、少しのことでも褒めましょう。
ちょっとしたことを見つけて褒めまくる。これが、褒め名人になるコツです。こんなことでも褒めていいのかなと思うことでも褒めましょう。
たくさん褒めれば、子ども心に響くものが必ずあるはずです。これを続けることによって、ママは褒めることが得意になって、もっともっと褒めることができるようになり、子どもはもっと大好きなママに褒められるように良い行いをたくさんしようと努力していきます。
一日に叱る回数よりも褒める回数が2倍3倍になるといいですね。
それでも、褒めるってどう褒めればいいか分からないっていうママには、
褒めれば子どもは劇的に変わる。子どもの褒め方とはをご覧ください。
②自分(親)の思い通りにさせようとは思わない事。
子どもは親のおもちゃではありません。一人の人です。低学年から中学年になると自我も生まれます。
もし、どうしても譲れないことがある場合、自分が決めている教育方針から子どもが逸れてしまっている場合は、子どもととことん語り合い、話し合いましょう。
子どもが親の思いを理解するまで話すことが重要です。
中途半端に話を切り上げてしまうと、また同じことを繰り返してしまうことがあります。
納得いっていないからですね。
ですから、子どもに親の思いを説明し、子どもの思い、願いをしっかり受け止め、納得いくところは受け入れ、譲れない部分は子どもが納得するまで説明してあげましょう。
自分の考えを押し付けても何にも解決しません。子どもの思いを聴き、良い部分は積極的に褒めることで、次第に正のスパイラルをつくるようにしましょう。
最後に
どうして、褒めることがこんなにも素晴らしく、叱ることよりも褒めることを増やそうと言い切れるのかというと、夫の教員経験からです。
夫は、まだ教員経験が浅い時期、クラスの子たちが全く言うことをきかず、クラスは荒れていました。
先生を困らせようと、物を隠したり、友達のものを隠したり、身体の弱い子をいじめたり、からかったり・・・・
とにかく、担任の先生が困ることをわざとやっているかのように毎日のように事件が起きていました。
そんな日々を送っていた夫はある時気づいたのです。
“子どもの良いところをなんにも見つけていない。叱ってばっかりでしっかりやっている子まで巻き込んで怒ってしまっている。クラスの雰囲気を壊しているの自分だ。毎日しっかり頑張っている子に申し訳ない”
と。
次の日から夫良い表れを積極的に見つけ、クラスの一人一人に毎日声をかけ、褒めていきました。
○○さん、きれいに掃除してくれてありがとう。助かるよ。
○○君、今日も元気いっぱいだね。先生も元気をもらえるよ。
など、必ず一回はクラス全員を褒めることを続けました。
そうすると、次第にクラスから悪い行いをしようとする子が消え、クラスの雰囲気も明るくなってきました。
そして、年度末には、来年も先生のクラスがいいと言われるようになったそうです。
夫は、叱ることよりも褒めることを多くすることを心がけたと言っております。
たったそれだけのことで、子どもは大きく変わるなんて驚きですよね。
学校での経験を例にしましたが、家庭にも応用できると思うので是非、実践してみてください。