元教員が教える!!小学生の音読の方法
自分の子が適当に音読の宿題をしてしまっていて、これでいいのかな?こんなやり方で意味があるの?などと思ってしまうことはありませんか。
ただ毎日の宿題で出されているわけで、毎日読んでいるからこそ、もっと効率の良いやり方や本当にためになる音読の方法があれば知りたいでよね。
実は、ほとんどの人はまったく教育的に効果がなく意味のない音読をしている可能性があるのです。しかし、ちょっと意識を変えることで子どもの国語の力はググっとアップします。
これから述べることを読んで、効果的な音読を目指しましょう。
小学校低学年ならお山読みをしよう
わが子が小学校1.2年生なら、とにかく「お山読み」をするように心がけましょう。
まず、「お山読み」って何?って思っている方がいると思うので説明しますね。
「お山読み」とは、一文で山(頂点)を決めて読むことです。別の言い方をすればアクセントをつける読み方です。例えば、「今日は音読の宿題をしました。」という文を読むとします。そういった場合、「の宿題」あたりに山がくるので、そこアクセントがつきます。
では、どうしてそのような読み方をしなければならないのでしょうか。
その理由は、小学校1.2年生はこちらが黙っているとお経みたいな読み方になってしまうからです。
これでは、音読の意味がありません。
小学校では言葉のまとまりに気を付けさせて読ませるように文科省から指示が出されています。
お経みたいな読み方だと、どこが文の切れ目なのか、1.2年生では文節はという言葉をつかいませんが、どこが文節なのかもわかりません。
「お山読み」をすることによって、言葉のまとまりを音読を通して自然に理解していくのです。
また、この「お山読み」をすることによって相手が聞きやすい読み方を身に付けることにもつながります。
1.2年生の子をお持ちなら実践してみてください。
主人公になりきって音読をしよう
音読をする際には、主人公になりきって読むことが重要です。
なぜなら、主人公になりきるということは、その物語の情景や気持ちを想像して読むことにつながるからです。
よく、学校で宿題がだされると音読カードに何回読めたか、間違えずに読めたか、すらすら読めたか、大きな声で読めたかなどを記入する場所があり、そこに記入すればオッケーなんて考えている方もいます。
はっきり言って、このような作業はほとんど意味がありません。
だったら、音読カードに子どもが一生懸命なりきって読んで伝わってきた感想を記入する方がよっぽど国語的にいいです。
音読カードに〇〇の○○の場面で○○の気持ちがすごく伝わってきたなどと、音読カードに書いたり、直接子どもに言ってあげるのと、ただ間違えずに読めたに〇をつけられるのではどっちが子どもにとってうれしいでしょうか。
私は、前者だと思います。
ママさんがしっかり音読を聞いて、伝わってきたことを子どもに伝えることで頑張りを認められるだけでなく、子どもは物語の主人公の気持ちを考えることにつながり、今まで以上にのめりこんで話すようになるからです。
そうすることによって、国語力がついていくのです。
物語文でもとめられていることは、登場人物の気持ちを考え、想像することです。その手助けをするのは実はママさんなのです。
ママさんも耳を鍛えないといけないです。大変ですががんばりましょう。
まちがえずに読むことも大切です。
しかし、それ以上に大切なことは、主人公になりきって読み、どのような思いが聞いている人に伝わったのかを聞くことが大切になってくることを分かっていただけたでしょうか。
ママと子ども、交代で音読しよう
音読を子どもだけするのではなく、ママさんにもやってもらいます。
なぜなら、子どもが自分で読んでいるだけでは、その話の内容を十分に理解することができないためです。
自分で読むときには、どうしても注意を文字を読むことに配分してしまって、負荷がかかり物語りの理解まで至らないからです。
特に、初めてその物語に出会った時には全ての内容を理解することは難しいでしょう。
子どもが読んでいる内容をママさんたちが読んで聞かせることによって、筋やお話の展開にまで注意を配ることができるのです。
そうすることによって、物語の先を予測したり、自分の知識とお話の世界を結び付けて考えたり、絵と文を結び付けたりしようとします。
物語を初めて読んだ時や、ある程度授業が進んだ段階など、定期的に音読し合うと最も効果的です。
さいごに
音読は、文字通り文章を声を出して読むことだから、とにかく国語のテキストを大きな声で読めばいい。
なんていう方もいますが、かなしい場面でも大きな声で読んでいいのでしょうか。
わたしは間違っていると思います。
ここの場面はみんなで楽しんでいる場面だから元気いっぱいに大きな声で読もう!!っていうなら素晴らしいことです。
しかし、悲しい場面ではやはり気持ちを込めれば小さな声で読むようになるのではないでしょうか。
音読に対する一般的な概念にとらわれずに、本当に意味のある音読をしていきたいですね。